古着好きなら必ず見かけるJERZEES(ジャージーズ)。特にバンドTシャツやスウェットで定番のブランドですが、実はタグを見るだけで簡単に年代が分かるって知っていましたか?
今回は、JERZEES初心者から上級者まで使える、タグによる年代判別方法を徹底解説します。この記事を読めば、古着屋で迷うことなくJERZEESの年代を見分けられるようになります!

写真は全てM部長が実際に購入したアイテムです。参考にしてください!
JERZEESの基礎知識
JERZEES(ジャージーズ)とは?
JERZEESは1980年代初頭、Russell Athletic(ラッセル・アスレチック)の子会社として誕生したブランドです。プリント用ブランクTシャツの需要が高まっていた「ブランクTシャツブーム」の時代に登場し、多くのバンドTシャツやプロモーションTシャツのボディとして使われました。
ヴィンテージJERZEESの魅力
1. 優秀なボディクオリティ スクリーンプリント業者に愛され続けただけあって、プリントとの相性が抜群。また、独自の素材ブレンドによる着心地の良さも魅力です。
2. バンドTシャツの定番ボディ 多くの有名バンドのTシャツに使用されているため、音楽ファンにとっても馴染み深いブランドです。
3. 手頃な価格帯 高級ヴィンテージほど高価ではないため、古着初心者にも手が出しやすいのが特徴です。

JERZEESのヴィンテージアイテムの狙い目は、1980年代初頭〜2000年代初頭の約20年間。現在もブランドは存続していますが、この期間の製品が特に人気を集めています。
【年代別】JERZEESタグ完全識別ガイド
【1980年代前半】〜1987年頃 初期タグ「グレー×イエロー」

タグの特徴
- グレーベースに黄色(イエロー)の文字
- 「JERZEES」のロゴのみ
- Russell関連の表記なし

最も古いJERZEESタグで、見つけることができればかなりレアです。デザインも後の年代と大きく異なるため、一目で分かります。
【1980年代中期〜1980年代後半】Russell表記入りタグ


タグの特徴
- 「RUSSELL」の文字が大きく入る
- JERZEESよりもRussellが目立つデザイン
- 親会社との関係が明確に示されている

Russellの文字がこの年代まで大きく入るのが特徴です。JERZEESがRussell Athleticの子会社であることがはっきりと分かるデザインです。
【1980年代後半~90年代前半】格子デザインの登場「細字グリッドタグ」

タグの特徴
- 格子状(グリッド)の背景
- スラッシュ状に「JERZEES」の文字
【1990年代中期】進化したグリッドタグ


タグの特徴
- 格子状の背景デザインは継続
- 左上に三角状のデザイン等、記載が増加
- 前年代より情報量が多い

80年代のタグと比較して、より多くの情報やデザイン要素が追加されているのがポイントです。
【1990年代後半~2000年代前半】ダイヤマーク時代

タグの特徴
- ダイヤマークが目印
- グリッドデザインは継続
- より洗練されたデザイン

90年代後期は古着市場でも人気の高い年代。ダイヤマークを覚えておけば簡単に識別できます。
【2000年代〜現在】シンプル化した現代タグ

タグの特徴
- 大きなZマークが消失
- よりシンプルで現在も見られるデザイン
- ヴィンテージ感は薄い

この年代以降はヴィンテージとしての価値は低くなります。
生産国表記で分かる年代のヒント
MADE IN USA時代(〜1990年代前半)
表記例
- 「MADE IN USA」
- 生産国表記がない場合もアメリカ製
特徴 この表記があれば、比較的古い年代(主に1990年代前半まで)の可能性が高いです。
NAFTA移行期(1990年代中期〜後期)
表記例
- 「MADE IN HONDURAS OF US COMPONENTS」
- 「MADE IN MEXICO OF US COMPONENTS」
時代背景 NAFTA(北米自由貿易協定)により、多くのアパレルブランドが海外生産に移行。「OF US COMPONENTS」は「アメリカの材料使用」を意味し、海外生産への移行を和らげるマーケティング表現でした。
完全海外生産時代(2000年代〜)
表記例
- 「MADE IN HONDURAS」
- 「MADE IN MEXICO」
- 「OF US COMPONENTS」の表記なし
判別ポイント この表記になると、2000年代以降の製品である可能性が高くなります。
古着屋での実践的チェック方法
基本の3ステップチェック
STEP 1:デザインパターンを確認
- グリッド(格子)があるか? → 1996年以前の可能性大
- Russellロゴはあるか? → より古い年代の可能性
- シンプルなボックス型か? → 1996年以降
STEP 2:生産国表記をチェック
- 「MADE IN USA」→ 1990年代前半まで
- 「OF US COMPONENTS」付き → 1990年代中期〜後期
- 海外生産のみ → 2000年代以降
STEP 3:タグの素材感を確認
- ザラッとした質感 → 初期〜1990年代
- シルキーな質感 → 1990年代後期以降
要注意ポイント
在庫期間のズレ JERZEESはスクリーンプリント業者に卸されていたため、タグの年代と実際のプリント時期がズレることがあります。
プリント内容も参考に
- バンドツアーTシャツなら、ツアー年をチェック
- 企業ロゴなら、そのロゴの使用期間を調査
- イベント系なら、開催年を確認

思いっきりデザインに「〇〇TOUR 1996」と年代が書いてある場合もあるし、コピーライトに小さく記載されている場合もあります。
覚えておくべき重要ポイント
最重要識別ポイント
- グリッドタグなら1996年以前
- Russellロゴ入りなら1980年代
- 「OF US COMPONENTS」なら1990年代中期〜後期
よくある間違い
間違い①:タグだけで判断 プリント内容や他の要素も総合的に判断することが重要です。
間違い②:例外を考慮しない 在庫期間のズレなど、例外的なケースもあることを理解しておきましょう。
間違い③:マイナーバリエーションを見落とし 各年代にマイナーなタグバリエーションが存在することも覚えておきましょう。
まとめ:JERZEESタグマスターへの道
JERZEESのタグ識別は、古着年代判別の入門として最適です。理由は:
- 流通量が多いので実践機会が豊富
- 変化が明確で覚えやすい
- 実用性が高いのでハズレが少ない
まずは「グリッドタグ=1996年以前」から覚えて、徐々に細かい識別ポイントをマスターしていきましょう。古着屋で実際にタグをチェックしながら経験を積むことが、最も効果的な学習方法です。
JERZEESのタグから、1980年代〜90年代のアメリカファッション史を感じ取ってみてください。きっと古着がもっと楽しくなるはずです!
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